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在宅クリニック経営戦略

■ 適格なニーズ把握・ターゲティング・プロモーション

マーケティング戦略の基本は、「コストリーダーシップ戦略」と「差別化戦略」に二分されます。保険診療は価格が固定されコストリーダーシップ戦略を執ることができないため、「差別化戦略」が唯一のマーケティング戦略となります。

地域医療における差別化戦略の代名詞と言えば、特殊診療科目の標榜になりますが、高齢者専門且つプライマリケアに該当する在宅療養支援診療所の場合、特定の診療科目以外は差別効果をもらたしませんし、地域ごとにニーズが異なり、何よりも、新たな専門医を雇用するハードルは一層高いものになります。

当社では、強み・弱み分析から得られる貴院の特徴を洗い出し、地域ニーズに適合したサービスを構築、これをターゲットに対してプロモーションを行い認知度を向上させ、ひいては、医療機関のブランドを確立させ、リターン顧客を安定的に生み出す支援を行います。

■ 患者の病状・住所にも戦略を

また、差別化・プロモーションと、在宅療養支援診療所の「財務戦略」は切手も切り離せない関係にあります。

顧客となる患者の特徴は、「慢性患者」「終末期患者」「居宅患者」「施設患者」に大分されます。

慢性患者は、数か月~数年間の長期間安定的な顧客となり、財務戦略上、経営の土台を支える重要な存在となります。

終末期患者は、慢性患者よりも客単価が高額である一方で、その市場は小さく、また短期間契約となるため、人財管理の側面からも、終末期対応が可能な医療者を雇用するハードルの高さや、緊急対応を行う労務コスト等、複雑な条件が絡み合います。そのため、単価が高いから言って、終末期患者を抱えすぎる負担が圧し掛かり組織運営に支障をきたします。財務戦略上、しっかりとベンチマーク値を順守して一定数の終末期患者を獲得することが重要となります。

居宅患者は施設患者よりも単価が高い一方、施設患者の方が市場規模が大きく、サービス提供効率も高く、且つ安定稼働率が高いため、ポートフォリオとしては居宅・施設のバランス配分も重要になります。

■ 施設≒安定収入

財務戦略上、運営の根幹となるのが「安定的な収益を齎す顧客」ですが、これは在宅医療市場の場合、有料老人ホームやグループホーム等の「施設等総合管理料」が算定可能なターゲットになります。マーケティング戦略上、施設事業者の多くは、既に既存の医療機関との診療契約を締結しているため、参入障壁は高いことが問題です。一方で、契約関係の中で何らかのトラブルや依頼者側の不満足が生じているケースは珍しくなく、これらを分析し、個別的なソリューションを提供することで案件を獲得することは可能です。施設患者は慢性期疾患が多く、且つ患者が退所しても施設事業者が新患を紹介してくれるため、長期間にわたって安定的な収益を齎すこととなり、経営上安定収入を得るためには必要不可欠になります。

■ 居宅獲得にはブランディング

しかし、施設は客単価が低いため、単価の高い居宅患者の存在も一定割合は必要です。居宅患者獲得におけるターゲット先は、ケアマネジャー、または病院連携室になりますが、慢性疾患は、地域のどの在宅クリニックでも対応が可能であるため、貴院が紹介先として選ばれるためには、競合先以上の認知度、信頼、差別化、紹介元が求める対応力をもって、確たるブランドを構築することが不可欠です。ブランドは、一兆一旦では獲得できず、ブランディング戦略は遅効性を示すという特性があるため、長期間に渡る施策が必要となります。

■ 患者属性別ポートフォリオの設定

さらに、患者単価を大きく左右するものが患者の重症度、特に、慢性期・終末期の違いと、在宅酸素管理料等の管理料の有無、看取り加算有無などが、客単価に大きく影響を与えます。これら重症度の高い患者は、基幹病院の退院連携室や居宅介護支援事業所等から獲得しますが、数ある在宅クリニックの中で自院が強力な関係を築くためには、単なる挨拶周りでは全く効果が無く、細やかなターゲティング及びプロモーション、差別化戦略の打ち出し、販促資材の作成や情報発信にとどまらず、テクニカルな対応力が求められることから、自院の優秀な医師・看護師の採用、訪問看護ステーションや訪問調剤薬局等との連携など、多様な戦術及び条件が求められます。

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日本ヘルスケアソリューションズ―JHS