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Case Study

大手ディベロッパー

クライアント

大手ディベロッパー

プロジェクト種別

高齢者住宅経営戦略

プロジェクト概要

高齢化時代・多死社会時代を迎え、死亡者数の急激な増加や病床キャパシティの限界、多世代同居型介護の崩壊が迫り来る中、高齢者施設における終末期対応ニーズもまた、急激に増加している。
 その背景には、団塊の世代が後期高齢者となり一気に要介護度及び家庭内介護需要が爆発することと、後期高齢者のうち4人に1人が独居高齢者となる現状、つまり旧来の多世代同居型介護システムが崩壊し、これに依存した介護体制に頼ることができない現代社会の構図がある。
 それを示すように、厚労省の示す指針でも、施設での終末期対応への加算を高め、逆に軽度利用者への報酬を下げることで、施設での終末期対応へ政策誘導が開始されている。施設での終末期対応は、地域ニーズ・経営の両側面から避けられない課題となりつつある。

課題

■ 戦略の均一化・倒産する売り手市場
旧来、高齢者施設は、その需要増加や助成金によって、その数を大きく伸ばしてきた。
高齢者施設事業者が執るストラテジーは大きく分けて2つである。
一つはコストリーダーシップ戦略。最小限のスタッフ、共用部、部屋面積で、地域No.1の安価な施設を目指す。コストリーダーシップ戦略で国内大手に成長した企業もある。もうひとつか差別化戦略。代表的なものが、過去大型ホテルやマンション、リゾート開発を行ってきた大手不動産会社による高級路線シリーズである。この2パターンの戦略によって多くの事業者は成長を遂げてきたが、類似企業が溢れ、企業間差別化が困難となり、また、ユーザー側のニーズも多様化複雑化してきたことで、昨今の高齢者施設市場は年々厳しさを増し、最近では、稼働率50%程度の事業所も多く、倒産も珍しくなくなった。
そのような中、現在、大きなニーズとなっているのが、終末期対応である。しかしながら、多くの事業会社は、もともと飲食業や建築業出身の会社でり、ハード造りは得意であるが、ソフト創りに長けていない事業者が多い。
■ 最大のカギは医療対応力
 そして現在、高齢者施設運営事業者の最大の課題は、終末期=高医療依存度患者への、臨床的スキル・対応力が不足し、その需要へ応えることができていない。
 具体的には、臓器不全患者、がん末期、難病患者など多様な医療依存度の高い患者が数多く存在しており、将来的にこれら患者が、病院ではなく自宅で生活せざるを得ない状況は深刻化する。在院日数制限の厳格化や、生命予後の延長(亡くなるはずの人が医療技術発展により亡くならない)により、医療依存度の高い患者がますます自宅へ帰される。核家族化、独居化が進み、家庭内介護の対応力が不十分であるため、自宅での療養が困難となる。それだけではなく、在宅介護中に、介護家族側が疲弊しギブアップした際、患者の受け皿となる「生活場所(=救済施設)」が存在しないケースも多い。急性期病院は急性期患者の受け皿であるため、救急性がない患者は、行先が無い。さらには、終末期患者の受け皿となる緩和ケア病棟は圧倒的に数が不足し、療養病床に入院できたとしても、「自分らしい最期」を迎える場所とは言えない環境である。一方で、医療依存度の高い患者が、最期まで自分らしい最期を求めて、住まいとして機能する介護施設を求めるが、介護施設側は医療依存度が高い患者に対応できない。
 言い換えれば、これに対応できる高齢者施設は、高いニーズや保険点数を獲得し、経営的に大きな成長を遂げることを意味する。

解決策

■ 4本柱の提案
医療・介護・住環境を、ワンストップで提供する新たなインフラの創出こそが、上記課題を解決するソリューソンのひとつであり、これからの高齢者施設に求められる姿である。具体的には、①日常的な医学管理、②ケアによる生活支援、③緊急時も対応可能な住まい、④尊厳を守る「ここなら最期まで過ごしたい」と思える住まいの四本柱である。
当社が提案した施設構成は次の通り。
• 24時間365日対応可能な、緩和ケアスキルにたけた在宅療養支援診療所
• 吸痰スキルに長けた充実した人員体制の介護ヘルパー陣と施設サービス
• 病院退院後、家族介護力の不足等から自宅復帰が困難な場合に、自宅の環境が整備されるまで一時的に入居する「トランジット施設」として機能。
• 輸液ポンプ、麻薬、無菌室対応可能な訪問調剤薬局
• 終末期を自宅で過ごすことを決めた後、家族の疲弊が著しく療養環境を変えたい場合に、最期の時間を過ごすことができる「ホスピス」として機能。
• 訪問看護ステーションを併設し、24時間対応・看護師が常駐。
• 死亡直前まで自立しているがん末期患者が、豊かに暮らせるケアデザイン(建築デザイン)
これを実効性のある解決策に導くために、次のステークホルダーを誘致した。
• 看取り実績豊富な在宅医療クリニック
• 緩和ケア認定看護師が多数在籍する訪問看護ステーション
• 過食率が低く嚥下困難な緩和ケア患者向けの専門ケータリング業者
• 訪問栄養指導・施設向け食事メニュープロデュースができる管理栄養士
• 無菌室対応可能な訪問調剤薬局
• 緩和ケアのトータルペイン理論に準じたスピリチュアルペイン・精神的苦痛を解決するプライバシー空間溢れる建築デザインを手掛けることが出来る建築家(大学建築学部教授)
 

支援内容

• 難病・がん末期患者専門施設 全体構成デザインの設計
• ホテルコストに依存しない医療保険・介護保険を主軸とした収益モデル作成
• ヘルパー・訪問看護師シフト表作成
• シフト表から想定できる財務シミュレーション作成
• 想定土地面積・立地に合わせた土地探し
• 施工業者・建築士・内装業者等の統括
• 建築デザインコンセプトの立案
• ベンチマークとなる海外成功事例情報の収集
• 難病・ガン末期患者獲得に向けたマーケティング戦略立案
• ターゲット医療機関等へのプロモーション戦略立案
• プロモーション資材作成
• 在宅医・緩和ケア認定看護師による介護スタッフへの技術教育研修
• オペレーション部門教育研修
• 訪問調剤薬局・管理栄養士・訪問看護ステーション等の誘致
• 許認可取得代行
• ホスピス海外視察アテンド・ツアー案内

事例

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日本ヘルスケアソリューションズ―JHS