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Case Study

海外大手航空会社

クライアント

外資系大手航空会社

プロジェクト種別

マーケティング・戦略・ICT

プロジェクト概要

 航空機による移動は、自動車や電車と異なり、医療的トラブル発生時に、すぐさま地上に降りて、適切な医療的処置をうけることができないことにある。昨今、先進国における世界的高齢化に伴い高齢者の搭乗機会が増加し、機内での医療トラブルが増加傾向にある。また世界的流行のコロナウィルス等の疫病リスクも高まっていることから、グローバル航空会社として、その解決策を見出す必要性が高まっていた。
そこで、当社では、機体の技術進歩によりインターネット環境が整備されたことに着眼し、多カ国語対応型オンライン診療システムの開発と、現地医療システムとの連携構築のソリューションを考案することとした。

課題

航空機による移動は、密閉空間での移動となり、緊急時に地上に降りて迅速な対処をすることが困難である。国内短距離便でも言えることだが、長距離便となる場合、20時間近い移動となり、その間、乗客や客室乗務員・操縦士等は、いかなる場合でも航空機から外部に出ることを許されない。長距離移動の客船であれば、船医が便乗しているため初期対応が可能であるが、航空機には医師は常駐しておらず、医療的トラブル対処への対応力は極めて低い。
一方で、先進国における世界的高齢化によって、高齢搭乗者における機内での医療的トラブルの発生機会は統計学的に増加傾向にある。これに加えて、コロナウィルスなどの感染症リスクも高まっている。
航空機において、移動中に発生する医療トラブルは、人命に直結するため、ATB(エア・ターン・バック)やダイバート(他の空港への着陸)を発令することとなり、機体一機あたりの損害額は、チケット返金や追加空港使用料・代替航空機手配・乗客補償料等、計り知れない。

解決策

現在、世界中を航行している航空機は、エアバス社やボーイング社などから供給されているが、その大半の期待には、上空でも利用可能なインターネット環境が整備されいる。そこで、航空機オリジナルのオンライン診療システムを開発することで、その解決を図ることとした。
医師が、オンライン上で、専門的に訓練されている客室乗務員に対して、指示を出しながら、医療的トラブルを抱える乗客の診察・診断・初期処置を行い、スクリーニングやトリアージを行った上で、目的地到着後の医療対応について引継ぎや紹介を行うまでの、システマティックな連携体制の構築も行うこととなった。
今回は、東南アジアの某航空会社からのコンサルティング依頼であったが、国際線で本システムを導入する場合、母国語にしか対応できない医師では、外国人客に対応できず、また国際線の場合、目的地国の医療事情や言語に一定の理解がない場合、連携ができない。そこで、旅行医学会の協力を得て、英語・フランス語・イタリア語・中国語・ロシア語・日本語に対応した医師の紹介を得て、日常診療業務とは別に、緊急時にスポットで対応するアライアンスを締結した。
また、試験的運用して、某国際空港及び国内線空港とアライアンスを締結し、上空におけるオンライン診療での初期治療の後、目的地国の医師への診療情報提供書による引継ぎの仕組みを開発した。
今後は、テスト運用を重ねて発着数の多い便より、本システムの導入を増やし、検証を行っていく。

支援内容

• 航空会社DB分析による、医療的トラブル発生事例数調査
• 航空会社DB分析による、エマージェンシー発生時の損害額の統計的試算
• システム開発会社(外注)の選定
• オンライン診療システム開発にあたる仕様設計、開発進捗管理
• 客室乗務員へのマニュアル作成
• 試験的運用空港管理会社への説明会の実施及びアライアンスの締結
• 現地医療機関との連携システムの構築(診療情報提供書の自動作成機能等)
• システム運用状況のモニタリング及び検証

事例

お問い合わせ
日本ヘルスケアソリューションズ―JHS